2014年8月18日月曜日

苦しんでいた自分と復帰しようとする自分を思い返して

僕は昨年末に休養を始めてから、いろいろな人に支えて頂いてなんとか今復帰してここまでやってくることができました。

これまでいくつかの節目を目標にして過ごしてきましたが、これで復帰前に考えていた一番大きな節目を乗り越えたことになります。
これからも変わらず慎重に、着実に過ごしていきたいと思っていますが,一度立ち止まってこれまでの記事を読み返し、「苦しむ自分」と「復帰しようとする自分」がこれまでどんなことを考えてきたのかを振り返りました。






この病は、僕にとって「悩み」ではなく「苦しみ」です。



心と体に重りをかけられ、
ただひたすらにしんどくて、
生きることになんの喜びも感じられず、
ポジティブな感情を持つことができない中で、
生きる気力を失って、
どうにか食べ物を口に押し込んで、
どうにか「生きている」



そんな状態でした。喜びが感じられないというよりは、そもそも感情があったかどうかも怪しいです。
まさにガソリンが切れた車のような感じでした。

深夜、ふらふらしながら一人で田舎道を徘徊したこともありました。このまま倒れてしまえばどんなに楽だろうと思いながら。

今思えば不思議ですが、自ら「休む」ということは頭に浮かびませんでした。石にかじりついてでも食らいついていかないといけない。駆り立てられていました。

でも、とうとう限界が来ます。
周りの人にSOSを発し、先生からはうつ病と診断されました。心の中で張り詰めていたものがプツンと切れたような気がしたのをよく覚えています。


それから、実家に帰って一日中ふとんにしがみついている日が続きました。

大学を離れていることに対する恐怖も強く、これでは卒業できなくなる、研究しなくてはという強迫感に追われていたことも僕に悪影響を与えました。

休み始めてから時間が経つと少し調子が「少しだけ悪くない」日も出てきましたが、そう長く続くものではありませんでした。調子がもっと悪くなると、出口のないトンネルを彷徨っている気がして辛かったものです。

なんとか周りの方々や薬、そしてカウンセラーさんのおかげで少しずつ調子が上向き、最初は週一回のペースで外に出て活動しようというところから社会復帰が始まりました。
カウンセラーさんや先生と話をして、不安になる要素は全て忘れて元気になることだけに集中させてもらえたのは幸運なことでした。それから徐々に行動範囲を増やしていき、なんとか大学に行けるようにはなり、破れかぶれの状態で大学を卒業します。



僕にとって、この病気になったのは「背伸びしようとする自分」が原因だったのではないかと思います。現状の自分に満足できず、常に上ばかり見ていました。ガツガツしている、いわゆる「意識の高い」(この呼び方が良いかどうかは分かりませんが…)感じではありませんでしたが、「楽にする」とか「楽しくのんびりする」という考えをあまり好意的に見てはいませんでした。物事を真剣にとらえ過ぎていたのだと思います。そして、自分を褒めてあげることをしていませんでした。

そして、そのような考えを持って僕は研究室を選んだ結果うつになります(僕のこれまで ③大学入学以降(中編) )。
結果的に研究室でうつになりましたが、前述のような考え方をしていたとしたら社会人になって同じ経験をすることも十分に考えられたと、今になっては思います。



現状に満足すること。

なんでも話せる素晴らしい友達が数人いること、健康であって家族皆仲が良いことを幸せに思うこと。
その大事さに気がつきました。


幸せは身の回りに、すぐそばにありました。


その幸せに気付く心を、僕が持っていなかっただけでした。


僕の苦しみを理解してくれ、助けてくれる友達や先輩がいてどんなに救われたか。
先生やカウンセラーさんの言葉は的確でした。
そして、家族にはこの上なく感謝しています。



こうして僕は大学を卒業し、大学院に入学して新しい研究室での生活が始まりました。

新しい研究室での生活が僕にとっては本格的な復帰で、3月の終わりも調子の悪い日が定期的にあり、前期の半年を無事に終えられるかどうかも不安な状態でのスタートでした。

最初はかなり不安定で、周りと同じようにするのに必死。平日5日間を過ごした後はもうへとへとで、週末は家でぐったり。
でも、修士で入った研究室が僕に合った環境で、良い意味で比較的自分のペースにやらせてもらえたのが幸いしました。

復帰に関しては必ず定期的に休む(家で一日中ゴロゴロする)ようにし、仲の良い友達とよく長電話して話しました。
何かにつけて自分を褒め、その度においしいものを食べに行きました。

そして何より、「心と体の声に耳を傾ける」ことを大事にしました。
心と体は正直です。頭では大丈夫だと考えていても心や体が悲鳴を上げていてはそれは大丈夫ではありません。そんなときはしっかり休みました。

授業に追われる時期もあり研究がそれほど進んでいるとはいえないかもしれませんが、ここまでこれたのは僕にとって100点満点以上の出来です。

もちろんこれからも調子の波はあります。良い時があれば悪い時も必ずあります。
でも、悪い時を「凄く悪い」ではなく「ちょっと悪い」程度に抑えるために、無理をしないでいきたいと思います。


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